月みる視点 雑記 2011年05月29日 幼児のころ母におぶられてはじめて月を見たとき、月は抱えるほどに大きく見えた。月のクレーターのボツボツまではっきり見えた。このことを人に話しても信じてはもらえない。ちょうど雛鳥のインプリンティングに通じるものがあったのかもしれない。今では視力もかなり落ちてぼんやりとしか見えない。という話はおいといて、以前流星群が見られるというので、庭先に寝転がってぼんやり夜空を眺めていた。そのときちょうど月が出ており、邪魔だなぁというぐらいにしか見ていなかった。しかし流星群といってもしょちゅう降ってくるわけじゃないので、その間ヒマになる。するとどうしても星とか月ばかり見ている。そのときどういうわけか、宇宙の広がりがわーっと全身に飛びこんできたような感じがして、全身が総毛だった。まるで何もない空間にぽーんと放り出されたような感じ。自分だけでなく、自分が寝転がっているこの地球も、月も、星々も、何もない「そこ」にただふわりと、何の支えもなく浮かんでいるだけにすぎない、ということを体感的に感じる。そうすると平面にしか見えなかった星空が、壮大な奥行きをもつ3次元のものとして自分の網膜に迫ってきた。という。もし星空を、あるいは月を見上げる機会があったら試してみるとよいです。星空は平面ではなく壮大な立体空間であり、月は何の支えもなく、ゆっくりと地球のまわりを旋回している巨大な球体として見ることを。たぶん自分が拠って立つこの宇宙に対して、恐ろしささえ感じるかもしれない。 PR